【5月29日】一問一答

 

今回は、表見代理から出題させていただきました。

前提として、表見代理の成立要件を覚えましょう!

 

①代理権を与えられたかのような表示をした場合【代理権授与の表示】
②与えられた代理権の範囲を超えて代理行為をした場合【権限外の行為】
③以前に代理権を与えられていたが、現在は代理権がない場合【代理権消滅後の行為】

 

また、上記に加え、全て『相手方が善意無過失』である必要があります。

 

 

 

①BはAに対して、B所有の土地の抵当権設定に関する代理権を与えた。しかし、AはB所有の土地についてCと売買契約を締結した。Bは、Cが善意無過失であっても、その売買契約を取り消すことができる。

 

 

【解答:❌】
抵当権設定の代理権を与えられた者が、目的外の売買契約を締結したときは無権代理行為となり、その契約に効力は生じません。

しかし、相手方が善意無過失の場合、表見代理が成立し、本人Bは、契約効果の帰属することを拒否できないため、売買契約を取消すことはできません。

 

 

 

 

②BはAに対して、B所有の土地の売買契約に関する代理権を与えた。その後、Aに破産手続開始の決定があると、Aの代理権は消滅するが、Aの代理権が消滅しても、Cが善意無過失であれば、その売買契約は有効である。



【解答:⭕️】
代理人の破産手続開始が決定すると代理権は消滅します。

しかし、それに反して、代理権を行使した場合、相手方Cも保護しないといけません。

この場合、相手方Cが善意無過失であれば、表見代理が成立し、Cが保護されます。
ゆえに、売買契約は有効となります。

 

 

 

 

③BはAに対して、B所有の土地の賃貸借契約に関する代理権を与えたが、AはCと売買契約を締結した。Bが追認しない場合でも、CがAに代理権があると信じ、そう信じることについて正当な理由があるとき、Cは、直接Bに対して所有権移転登記の請求をすることができる。

 

 

【解答:⭕️】
相手方Cが代理権の範囲を超えて代理行為をしていることについて、善意無過失の場合、表見代理が成立するため、契約は本人Bに帰属します。

つまり、CはBに直接所有権移転登記を請求できます。